アドミクス

シャーシダイナモ

シャーシ
シャーシ

さて、今回はシャーシダイナモ。
基本的にはエンジンの馬力測定器ですが、実走せずにコンピューターセッティングが行える便利な機械です。
ウチは持ってませんが(泣)

恥ずかしながら私自身買ったことがないので、正確に数社から数種類販売されているか知りませんが、ほとんどの皆さんは、”ローラータイプ”と”車軸直接取り付け式(ダイナパック)”という2種類はご存知だと思います。
あ、エンジンベンチというエンジン単体の測定器もありますね。
でも、ベンチって装着が面倒で、機械そのものと、設備も大掛かりなのでチューニングショップでは使用しているところはほとんど無いといっていいと思います。(実際私が以前勤めていた会社にもありましたがベンチの出番はほとんど無く、実際はほとんどローラータイプのシャシダイで済ませていました)

何よりユーザー目線で興味があるのは、「どちらが正確なのか?」だと思います。
その答えは・・・

ぶっちゃけどっちも同じです。
大切なのはセッティングを行う人間がその機械で計測された馬力の数字に対してどのように認識するか、ということです。
なぜなら、シャシダイは”馬力みなし算器”だからです。
回転の角速度の加速度を計測し、馬力に換算して算出しているからです。

よく、「ローラー式は誤差が多いから正確じゃない」、「係数ゼロでダイナパックだから・・・エライ」等の言葉をよく耳にしますが、間違いです。
たしかにローラー式は車軸直付け式と比べて、タイヤというものが無いので、誤差を生み出す付加物が一つ少ないので車軸直付け式の方が有利ではあります。

しかし、問題は補正係数です。補正係数は必ず必要です。
先述したようにあくまでも、車軸の回転からの”みなし算器”であるため、そのクルマのエンジン排気量、ミッション(FF系のミッションは直結ギアがありません)、ファイナルレシオ等のデータで補正をかけないと肝心なエンジン出力が計れないのです。もちろん、ローラー式の場合はタイヤ外計も正確に入力しなくてはいけません。
そうしないとシャシダイは回転から馬力を逆算していますので、同じエンジンでも何か一つ違うだけで違う数字が計算されてしまうからです。

と、ここまで理解してくると、シャシダイ上では馬力が多く出安いクルマ、出にくいクルマが存在することが分かってきます。
つまり、補正係数を同一にした同じクルマ同士でもコンピューターセッティングによって最終的に表示される数字が変わってきます。
実際に走らせると同じくらいの速さのクルマ同士で、車種が違うクルマでも数字は変わってしまいます。

あと、問題は実走とはコンピュータマップの読み方、読む位置が若干違ってしまうので注意が必要です。
A/Fの数字の意味も実走とシャシダイでは違ってきます。

と、くだぐだ書いてみましたが最終的にはチューナーがエンジンと会話をしながらマップデータを作成するわけですが、エンジンはしゃべってくれませんので、エンジンが発する信号(追加メーター等の動き)をもとにエンジンの状態を把握し、想像しセッティングしていきます。
私自身が常に念頭においていることは”速いこと”です。
「アクセルに足を載せた時のトルク感」とか、「ブーストが何キロ掛かっているからエライ」とかは関係ありません。もちろん「シャシダイで○○馬力出てるからエライ」なんてことはナンセンスだと思います。

ドライバーが意思をもってアクセル操作(オープン)をし、クルマが”前に速く進む”ことが一番大切だと思います。
ドライバーの体感ではエンジンに力を感じるのに、実際に走らせてみるとノーマルとほとんど同じ、もしくはノーマルより遅かった、なんてクルマが意外に沢山あります。

やはり、エンジンチューニングを施したらサーキットで思う存分楽しみましょう。
サーキットを走ればエンジンが遅いかどうかすぐに分かりますから。
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